衝を迎えた
木星と
土星は、深夜、南の空に並んで輝いています。
0等台で比較的穏やかな輝きの
土星とマイナス2.5等前後で強く輝く
木星は、夏の主役の大三角形を上回るほどの存在感を見せているでしょう。
20日から22日にかけて、この2つの惑星の近くを月が通り過ぎていきます。
20日に
土星の右下(南西)側に近づいた月は、翌21日には東に動いて、
土星と
木星の中央やや下側に見えます。
22日には
木星の左下(南東)へと通り過ぎます。この日の21時頃に満月となるため、非常に強い月明りの中となりますが、明るい惑星ですので、見つけられるでしょう。
月は毎日大きく位置を変えていきますが、その動きを意識することは少ないかもしれません。
この夏の主役である惑星たちを目印として、天体の日々の動きを実感してみましょう。
2021年8月、望遠鏡で見たい二大惑星、
木星と
土星が、見頃を迎えます。
衝の頃、
木星は約マイナス3等、
土星は約0等で、天の川の左(東)で大きな存在感を放っています。
※「衝(しょう)」とは、
太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。
衝の頃の惑星は、地球と惑星との距離が近く、見かけの直径(視直径)が大きくなっている上、陰になる面積も少ないため、明るく見えます。
太陽が沈む頃に東の空から昇って、太陽が昇る頃に西の空に沈むので、一晩中見ることができ、観察の好機となるのです。
望遠鏡で見たい二大惑星
また、
木星本体から少し離れたところには、4つの衛星が見えます。
木星のまわりを公転しているため、時間を置いてみると並び方が変わっていくことにも注目しましょう。
太陽系の惑星の中で、小望遠鏡で見事な環を見ることができるのは
土星だけです。
大きな望遠鏡になると環の構造や本体の縞模様なども見えてきます。
夕方、西の空で金星が目を引きます。
日の入り後30分の高度は15度に至りませんが、マイナス4等級の明るさで、暮れなずむ空でも目立つことでしょう。